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在宅介護の福祉用具レンタル。介護保険対象外の用具や自費レンタルの活用事例も紹介

自宅で介護を行う際、ご利用者の暮らしやすさと、介護者の負担軽減を両立するために欠かせないのが「福祉用具」です。とはいえ、すべてを購入するとなると大きな出費になりかねません。そこで活用したいのが、介護保険を利用した福祉用具のレンタルです。この記事では、福祉用具の基本から、レンタルのメリット、利用条件、自費レンタルの活用事例まで詳しく解説します。あわせてALSOK介護のサービス内容もご紹介します。

福祉用具とは?在宅介護で必要な理由

まず、福祉用具の基本的な役割と、在宅介護においてなぜ必要とされているのかを紹介します。

福祉用具とは?

福祉用具とは、高齢者や障害のある方が安全・快適に日常生活を送るために用いられる道具のことです。介護ベッドや車いすなどが代表的で、主に以下の3つの目的があります。
  • 本人の自立支援
  • 介護者の身体的負担の軽減
  • 転倒などの事故防止

在宅介護で使われる主な福祉用具

在宅介護では、身体の状態や住まいの環境に合わせて、どの福祉用具を使うかがとても重要です。すべてを最初から揃える必要はありませんが、日々の生活を安全かつ快適にするために、必要なタイミングで必要なものを取り入れるとよいでしょう。

在宅介護では、ご利用者の身体状況や生活環境に応じて、適切な福祉用具を選ぶことが求められます。主なものは以下の通りです。

介護ベッド(電動・手動) 起き上がりや寝返り、立ち上がりを補助するベッド。身体への負担軽減に役立ちます。
車いす・歩行器・歩行補助杖 移動をサポートする用具。身体能力に応じて使い分けることで、行動範囲を広げられます。
手すり(据え置き型・突っ張り型) 立ち上がりや歩行時の転倒防止に有効。工事不要で設置できるタイプもあります。
入浴用イス・浴槽内手すり・シャワーチェア 入浴時の姿勢保持や安全確保に活用。浴室での転倒リスクを軽減します。
移動用リフト・スロープ ベッドや車いすへの移乗を補助する用具。介護者の負担を減らす役割もあります。
排泄補助用具(ポータブルトイレなど) トイレまでの移動が困難な場合に使用。就寝中や夜間の排泄にも対応できます。

福祉用具レンタルのメリット

福祉用具は購入することもできますが、在宅介護ではレンタルを選ぶ方が多くいます。その背景には、費用や使い勝手、安全性といった複数の観点から見た「レンタルならではの利点」があります。ここでは、福祉用具をレンタルする主なメリットを3つの視点から紹介します。

購入より費用負担が軽く、柔軟に交換できる

福祉用具を購入する場合、商品によっては数万〜十数万円の出費が必要になるため、短期間の使用や、身体状況の変化が見込まれる場合には、購入よりもレンタルの方が経済的です。

レンタルであれば途中での交換や調整にも柔軟に対応できるからです。たとえば、歩行器から車いすへの変更や手すりの位置やサイズ変更など、大きな費用の追加なくご利用される方の状態に合わせて、切り替えられるのが大きな魅力です。

しかし、同一タイプを長期間利用する場合は購入の方が割安になる場合もあります。

メンテナンス込みで安心して使える

福祉用具レンタルの大きなメリットのひとつは、定期的な点検やメンテナンスをレンタルを行う事業者が行ってくれる点です。使用中に不具合が起きた場合も迅速に対応してもらえるため、安心して長く使い続けることができます。

介護保険で、自己負担は原則1〜3割

介護保険制度を利用すれば、対象となる福祉用具のレンタル費用に対し、原則として7〜9割が保険から給付されます。自己負担は原則1〜3割で済むため、経済的負担を大きく軽減できます。自己負担の割合は、保険利用者の所得によって決められます。

ただし、要支援・要介護の区分によってレンタルできる用具が異なるため、ケアマネジャーに相談して、正確な情報をもとに進めることが重要です。

福祉用具レンタルの対象者と利用条件

在宅介護で福祉用具をレンタルする際には、誰でも自由に使えるわけではありません。介護保険を利用するには、一定の条件を満たす必要があります。ここでは、介護保険の対象となる人や、保険適用でレンタルできる用具、自費レンタルが必要になるケースなどを解説します。

対象者は要介護認定を受けた人

介護保険を利用して福祉用具をレンタルできるのは、原則として「要介護2以上」の認定を受けた方です。要支援1・2、要介護1の場合でも一部の用具は利用できますが、対象は限られています。たとえば、手すりや歩行補助杖、スロープなど軽度な補助用具は対象になりますが、電動ベッド(特殊寝台)などの大型用具は原則として対象外です。

介護保険でレンタルできる主な用具

以下は、介護保険のレンタル対象となっている代表的な福祉用具です(厚生労働省・福祉用具貸与の指定種目より)。

  • 車いす
  • 特殊寝台(介護用ベッド)および付属品
  • 手すり(工事を伴わないもの)
  • スロープ(段差解消のための簡易型)
  • 歩行器・歩行補助杖
  • 移動用リフト(吊り具を除く)
     

自費利用となるケースと施設内での活用事例

以下のような場合には、介護保険の適用外となるため、福祉用具のレンタル費用を全額自己負担(自費)で支払う必要があります。

要介護認定を受けていない(申請中の場合も含む)

要支援者で、介護保険対象外の用具を希望する

また、介護施設に入所している方が、高機能エアマットを希望することや、施設に備え付けの用具とは別に、より快適な生活環境を整える目的で自費レンタルを導入するケースもあります。その場合は、事前に施設側と相談し、設置や使用に関する確認を取ることが大切です。

レンタルの流れ

介護保険を利用した福祉用具レンタルは、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員を通じて進められます。まず、ご利用者やその家族から相談を受けたケアマネジャーが、福祉用具専門相談員と連携しながら、本人の心身の状態や生活環境を確認します。その情報をもとに、必要な用具を選定し、貸与や販売の計画を立てたうえで、ご利用者や家族に説明・同意を得ます。その後、用具が自宅に届けられ、使用が開始されます。使用開始後も、専門相談員が定期的に状態を確認し、必要に応じて用具の調整や交換、メンテナンスなどを行います。

レンタルできない、購入が必要な福祉用具とは?

福祉用具の多くは介護保険を使ってレンタルできますが、中にはレンタルの対象外となり、購入が必要なものもあります。衛生面や個人使用の特性から、購入が原則とされる用具も少なくありません。ここでは、購入が必要となる主なケースと、介護保険で補助が受けられる「特定福祉用具販売制度」について解説します。

レンタル対象外になる主な用具

福祉用具のなかには、介護保険を利用したレンタルの対象とならず、購入が原則となるものもあります。

  • ポータブルトイレ
  • 入浴用いす・バスボード
  • 段差解消すのこ
  • おむつなどの消耗品

これらは個人使用・衛生上の観点から、レンタルに不向きとされています。

購入が望ましいケース

以下のような場合には、レンタルより購入が適していることがあります。

  • オーダーメイドや調整が必要な特殊用具(例:大柄な体型向き車椅子、指が不自由な方向けカトラリーなど)
  • 長期利用が見込まれる(費用面で購入が割安になる)
  • 使用頻度が高く、使い勝手や衛生面で個人所有が望ましい
     

特定福祉用具販売制度の利用

介護保険では、レンタル対象外の用具について「特定福祉用具販売制度」を利用して購入費の補助を受けることができます。補助対象は以下の5種類です。

  1. 腰掛便座(ポータブルトイレ含む)
  2. 入浴補助用具(シャワーチェアなど)
  3. 簡易浴槽
  4. 移動用リフトの吊り具部分
  5. 排泄予測支援機器(2021年4月より追加)

補助の上限は年間10万円(1〜3割の自己負担)で、原則として購入前の申請が必要です。

ALSOK介護の福祉用具レンタル・販売サービスの特徴

ALSOK介護のサービス

ALSOK介護では、在宅介護の負担を軽減するための福祉用具レンタル・販売サービスを展開しています。福祉用具専門相談員が丁寧にヒアリングを行い、最適な用具を提案します。メンテナンス体制や相談窓口も整っており、初めての方でも安心して利用できます。

取扱い福祉用具の一例

ALSOK介護で扱う福祉用具には、以下のような商品があります。

  • 特殊寝台
  • 床ずれ防止用具
  • スロープ
  • 歩行器、歩行補助杖、手すり

参考:ALSOK 福祉用具レンタル・販売サービス

そのほか、ご利用者とその家族が暮らしやすい住環境を整えるために、住宅改修工事も行っています。具体的には、手すりの取り付け、床の段差解消、和式トイレから洋式トイレへの交換、便器の位置変更などが挙げられます。自治体からの助成により、年間20万円を上限に改修工事費用の一部が補助されます。

申込みと相談方法

利用希望者は、以下の方法で相談・申し込みが可能です。

  • ケアマネジャーを通じて依頼
  • ALSOK介護の相談窓口へ直接問い合わせ
  • ホームページからのオンライン相談申請

専門スタッフが家庭環境や要介護度に応じて適切な用具を提案してくれます。

レンタルにせよ、購入にせよ、どんな用具がどんなタイミングで必要で、介護保険を含めた補助が使用できるのかなど、介護計画を立てる際に、ケアマネジャーや専門スタッフと相談し、最適な選択ができるようにしたいですね。そのためにも事前の情報収集を介護者側でもしておくとよいでしょう。