小規模多機能型居宅介護みんなの家・稲城長沼
【一日一心】「両親との再会と別れ 伝えたかった気持ち」
YO、みなさん、こんにちは。
みんなの家・稲城長沼の王です。
東京の梅雨が明けて、蒸し暑い夏がやってきましたね。
みなさんはお元気ですか~
三年ぶりの再会
庭のツタは日ごとに伸びていて、まるで息子が成長していく姿のようです。
そんな折、三年ぶりに両親が中国からやって来ました。孫に会うために。
空港で再会した両親の姿は、時の流れを感じさせるもので、
父は歯がほとんど残っておらず、母も痩せて背筋が丸くなっていました。
でも元気そうなその姿、しわの一つひとつが、懐かしさと温もりを語っていました。
わずか五日の滞在でしたが、息子が高熱を出してしまい、両親は思うように抱けませんでした。
客間でスマホ越しに孫を眺めては、小さく笑う二人。
母は外に出るのが好きな人ですが、このときばかりは控えめで、父は逆に饒舌でした。
たった数日間で、何年分もの会話を取り戻そうとしているようでした。
別れの涙
妻に「抱きしめてあげなよ」と言われましたが、私は強がり、笑顔で見送りました。
けれど、二人の背中が搭乗口に消えた瞬間、涙が溢れて止まりませんでした。
車を運転しながら泣き、窓を叩く雨粒に、自分の心の音を重ねました。
繰り返す思い、愛を伝える決意
庭の雑草を見て、思いました。
それは私の両親への思いと同じ。抜いても抜けない、繰り返し芽吹く。
「大好きだよ」と伝えたのはいつだっただろう。三十年前かもしれません。
介護の仕事で、多くの人の最期を見てきました。
「愛している」と伝えられないまま旅立つ人もたくさんいます。
だから私は決めました。
次に会ったときは必ず言おう、と。
「お父さん、お母さん、愛しています」と。
親の介護って、正解はないです。
施設に託すことも愛。家で看ることも愛。
形は違っても、その根底にあるのは「一緒にいたい」という気持ち。
私の仕事も、私の家族への思いも、同じ場所に繋がっています。
時間は過ぎていきます。
でも愛は、確かに心の中で根を張り、芽吹き続けていくのだと信じています。
続く…
