小規模多機能型居宅介護みんなの家・稲城長沼
【一日一心】伝えたかった気持ち、器に込めて
YOYO、みなさん、こんにちは。
みんなの家・稲城長沼の王です。
今日は横山さんが24時間テレビで完走した姿に感動しました。
辛くても諦めず、笑顔でゴールする姿はとっても素敵ですね。
さて、先日、みんなの家では陶芸教室を開催しました。
私自身、三年ぶりに親が来日してくれたときの、久しぶりに会えた喜びや、短い時間で伝えきれなかった想いが、この教室のきっかけになりました。
利用者様にも、同じように「大切な人に気持ちを伝える時間」を持ってほしい――そう思いながら、教室の準備をしました。
土との対話
まずは先生から陶芸の説明を受けます。
土の扱い方や基本的な形の作り方、刻印の入れ方まで、丁寧に教えていただきました。
利用者様の表情は真剣そのもの。
「どんな形にしようかな」と、わくわくする空気がフロアに広がります。
生地を叩き、形を整える
生地を叩く作業では、土の感触が手のひらに伝わり、柔らかく、あたたかさを感じます。
「昔にやったことがあるわ」と笑顔を見せる方もいれば、慎重に形を整える方もいました。
少しずつ土が器の形になっていく様子に、自然と会話も弾みます。
形が整ったら、次は刻印や模様を入れる時間です。
「これ、家族に見せたいな」
「孫にあげたいね」
そんな言葉があちこちから聞こえ、フロアに温かい空気が広がりました。
作品の完成
そして、2週間後――焼き上がった作品が届きました。
みなさま自分の作品を手に取り、嬉しそうに写真を撮り合います。
中には家族にプレゼントした利用者様もいて、娘さんは笑顔でいっぱいになりました。
「お母さん、ありがとう!」という声に、周りも自然と微笑みます。
完成した作品は、世界にひとつだけの器。
どの小皿にも、利用者様が家族に届けたい想いや感謝の気持ちが込められています。
心を込めることの喜び
手渡すときの笑顔を思い出すと、こちらまで胸がいっぱいになります。
陶芸を通して、手作りのものに想いを込めること。
それは、家族に「愛を伝える勇気」を少しだけ届けること。
人生の最後の時間に、こうして心を形にできることは、利用者様にとっても、家族にとっても、幸せな瞬間です。
そして、その幸せの架け橋を支えるのが、私たち介護職だと思います。

