デイサービスセンター 遊・府中
【ユーの物語】研修の一日
YOYO、みなさん、こんにちは。
デイサービスセンター遊・府中&みんなの家・稲城長沼の王です。
12月に入り、街の空気も少しずつ冬らしくなってきました。
気忙しさが増すこの時期ですが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
私は昨日、会社の運転指導者研修に参加しました。
その一日は、学びの時間であると同時に、思いがけず自分自身の歩みを振り返るきっかけにもなりました。
研修での出会い
今日は会社の運転指導者研修に参加した。
休憩時間、他施設の機能訓練指導員であるYさんと話す機会に恵まれた。
Yさんの職場は、決して平穏な状況ではないらしい。
施設長Iさんは業務に追われ、新人教育や業務分担、ベテラン職員からの引き継ぎなど課題が山積みだという。
それでも、彼の言葉の端々には、施設長への深い尊敬の思いがにじんでいた。
Yさんはもともと柔道整復師として整骨院で働いていたが、
介護の世界に関心を寄せるようになり、今は機能訓練指導員として働いている。
今は相談できる上司、
支えてくれる先輩、
年齢の近い新卒の仲間、
——そんな環境の中で、「今は介護の仕事そのものが好きです」と彼は言った。
将来は管理者を目指し、ケアマネジャーの資格取得にも挑戦したいと、瞳を輝かせて語る姿が印象的だった。
その姿に、なんとなく十年前の自分を重ねた。
何の資格も持たず介護の世界に飛び込み、相談員の一郎さんにすべてを教わっていた頃のことを。
レクリエーションの企画、利用者への言葉づかい、認知症の方との向き合い方
——右も左もわからず、ただがむしゃらに働いていたあの日々。
帰り道に重なった過去
今、管理者という立場から振り返ると、Yさんはまさにその頃の私だった。
夢や希望に胸をふくらませ、尊敬する人の力になりたいと願いながらも、
物事を俯瞰する視点や自分自身を客観的に見つめる力は、これから育んでいく途上にある。
帰りの電車で、彼の仕事上の悩みに耳を傾けながら、不思議な感覚に包まれた。
今のYさんに話しているというより、十年前の自分に語りかけているようだ。
「あの時、もっとこうしておけば」
「この失敗は、避けられたかもしれない」
彼の真摯なまなざしを見ていると、過去の自分にすべての経験を伝えて、同じ道を歩ませたくないと思ってしまう。
けれど、あの頃の私も、一郎さんから頂いたアドバイスのすべてを、すぐには理解できなかったはずだ。
人生は、他人から与えられる教訓だけでは形作られない。
自ら学び、ときには失敗し、立ち上がる過程そのものが、人を育てていく。
Yさんのこれからの歩みも、きっとそうだろう。
電車の窓に、自分の顔がぼんやり映る。
気がつけば、あと2週間で39歳になる。
いわゆる「サンキュー」の年齢を目前に、これまで出会ってきた人たちへの感謝が、静かに胸に広がっていった。
研修の一日が残したもの
振り返れば、人生に現れる人に偶然はない。
私を認めてくれる人、
支えてくれる人、
時々厳しく鍛えてくれる人。
それぞれの形で、ずっと見守ってくれていたのだと思う。
Yさんの姿に重ねるように、ひとつの思いが胸に浮かんだ。
今の自分は、十年前の決断の積み重ねでできている。
そして、十年後の自分は、これからの一歩一歩がつくっていく。
変わりたいと思った時が、始め時なのだと思う。
五歩でも、十歩でも、それは確かな前進で、
迷いながらの小さな行動であっても、立ち止まり続けるよりずっと意味がある。
星は、歩く速さを問わない。
時は、志を持つ人を裏切らない。
それぞれの場所で、それぞれの歩みを続け、
いつか振り返った今日を、後悔のない日にできるように。
そんな願いを胸に、研修の一日を終えた。